JP_010: PolyJetで3D造形した部品の手作業による研磨と艶出し

3D造形品の研磨と艶出しには注意が必要な場合があります。このチュートリアルでは、Stratasys J750を使って造形した部品の後処理の実施方法を紹介します。

  1. Step 1: 概要

    Stratasys J750は、外観に関して、3Dプリンティングの世界では比較的高度な機能を提供しています。造形した部品の外観を十分に発揮する、または射出成形部品に近づけるため、手作業による研磨および艶出しを推奨します。

    写真にあるのはシフトレバーです。いくつかの色と外観を組み合わせたものですが、すべて1回の造形で実現できます。

    ·        木目テクスチャ

    ·        ステッチをあしらったレザー風オーバーラップ

    ·        VeroClearを使った表示面を備えたカラー液晶モック画面

    液晶画面と木目部分のみを艶出しすることで、よりリアルな仕上がりにする方法を見ていきます。ラッカーを塗る必要はありません。

  2. Step 2: 道具を準備する

    プリンタから出てきたばかりの部品の外観は、つぎのような光沢のない仕上がりとなっています。



    この部品の艶出しを行うため、つぎの粒度の耐水研磨紙を準備します。  400、800、1000、1200、1500、2000、2500、3000。

    またつぎの道具も必要です。

    ·        Turtle Waxポリッシングコンパウンド

    ·        シリコンスプレー

  3. Step 3: 異なる粒度で研磨する

    粒度400から始めて、画面と木目の表面を慎重に、一定の動きで円を描くように研磨します。このとき、表面のテクスチャ層全体が取れる可能性があるため、1か所を強く磨くことは避けてください。

    レザーテクスチャは避けて研磨しますが、境界線のできるだけ近くまで磨くようにします。横方向に直線的に往復させる動きだと、不要なひっかきキズ(画像を参照)が残る可能性があるため、小さな円を描くような動きで境界線まで磨きます。

    1つの粒度の研磨紙あたり10~20分かけて研磨します。理想的なのは湿式研磨で、粒子が蓄積されて表面にキズがつくのを防ぐため、一定の間隔で研磨紙と部品を洗い流します。これは、より細かい粒度に進むにつれさらに重要になります。

    部品の表面の感触が完全になめらかになり、研磨紙が若干「吸いつく」ようになったら、つまり、抵抗を感じるようになったらつぎの粒度に進みます。

    注:部品の表面は、最後の粒度である2500または3000までは光沢がないままとなります。 

    最後にTurtle Waxポリッシングコンパウンド(細目~中目クリーナー)を使って、柔らかい布で残りの微細なキズを取り除き、表面を均一にします。液晶画面と木目部分は、部品に光沢が出て、液晶画面が完全に透明になるまで(画像を参照)、円を描くような動きで力強くこすります。



  4. Step 4: 最後の仕上げ(オプション)

    部品を研磨して、求めている艶のある外観が実現した後にも、利用できる仕上げのオプションがいくつかあります。

    • レザーの風合いの均一性を高めるには、レザーテクスチャにシリコンスプレーをかけます。
    • シフトレバーの白いベース部分の外観の完成度を高めるには、ベース部分を各粒度の研磨紙で軽く磨きます。


    Stratasys J850プリンタについて、またはマルチカラーおよび異なるテクスチャにより現場で求められる風合いを実現する方法について詳しくお知りになりたい方は、こちらからサインアップして詳細をご覧いただけます。

    参考になれば幸いです。この方法を使ってみたという方はぜひコメントして、結果をお聞かせください。

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